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リハビリテーション部の各種取り組み

1骨盤底リハビリ

骨盤底筋のリハビリは、骨盤にある骨盤底筋群を鍛える体操で、尿失禁や軽度の骨盤臓器脱の治療として効果があると言われています。しかし、骨盤底筋群は収縮が分かりにくく、『ちゃんと力を入れられているか分からない』と運動を続けられない方が多いです。

尿失禁や骨盤臓器脱を改善するには、骨盤底筋体操とあわせて、姿勢を整え、体幹筋を鍛えることがとても大切です。しかし、誤ったトレーニングはかえって症状を悪化させてしまう可能性があるため、症状のある方は専門家の指導のもと、トレーニングを行う必要があります。

当院では女性理学療法士が個別で担当し、骨盤底筋の状態を超音波検査器で評価し、お一人お一人の状態に合わせて、骨盤底筋群の正しい収縮を身につけて頂くお手伝いをしています。正しい運動の方法にはコツがあります。骨盤底筋体操で一番大切なのは継続ですが、1人で運動を継続することは簡単なことではありません。外来リハビリではそれぞれ皆さんの状態に合わせて、運動継続のサポートをしていきます。お困りの方はぜひお気軽にご相談下さい。

2インソール調整

足は、身体全体の体重を支える重要な運動器になります。足の状態に問題がある場合、身体全体の歪みや痛みの原因になる場合があり、また、合わない靴を履いている事も、悪い歩き方になってしまう原因となる場合があります。リハビリを行なって症状が軽減しても、合わない靴の影響で症状が再発してしまう場合があります。

この「姿勢の問題や痛み」は、靴の中敷き(インソール)を調整する事によって改善される場合があります。当院は、身体全体を動きを評価し、身体機能の運動療法を行い、必要な方はインソールの調整を行い治療効果を高める対応を行っています。

下記のような症状がある方は、お気軽にご相談ください。

3テーピング療法

テーピングとは、筋肉や関節の状況に合わせて身体の一部に伸縮性テープを貼ったり巻いたりすることです。これにより、運動器の機能をサポートし体を動かしやすく、痛みを予防することを目的としております。

当院で使用しているテーピングは筋肉や関節固定を目的とせずに、伸縮性のあるテープで人体の筋膜を中心とした機能改善により、リンパ還流の調整、痛みの緩和、ゆがみの調整することで人体の自然治癒能力を高める効果が期待されているテープを使用しています。

4ピラティス

ピラティスは、呼吸をしながら体幹バランスを整え、正しい姿勢や体の使い方を身につけるアプローチ法です。ピラティスは年齢や体力に関係なく行えるので、スポーツをする若い方から高齢の方まであらゆる方に実践していただけます。

痛みや筋力が低下すると自分自身で気づく事なく姿勢が崩れてしまうものです。そこで体の動かし方を学び、体幹を整えて「自分自身の身体をしっかりとコントロールできるようになる」ことが、調和の取れた体の動きにつながります。

重要なのは「自分の身体の状態に気づき、効率的な姿勢、身体の動かし方を身に付ける事です。」ピラティスは、エクササイズを行う中で身体の状態(左右の差や姿勢、動きの癖)に気づき、自身の体の状態について少しづつ理解することができるようになります。

生活習慣、運動習慣によって徐々に偏った状態で癖がついてしまいます。この癖は無意識に行なわれるものなので、意識して理解しようとしない限り、偏りや癖に気づくことはできません。

当院のリハビリテーションでは姿勢や動作分析を行い個々の姿勢を意識的に修正していく事からスタートし、効率的な身体の使い方を身に付けていきます。それが無意識へと変わり、その後日常生活に潜む習慣を改善していく事につながるように運動療法を勧めます。

5重心動揺検査によるバランス能力の評価

重心動揺検査は,身体の重心を立位で計測することにより体の動揺の大きさや特徴を検出する臨床検査です。

この重心動揺が自分でコントロール出来ているなら、バランス能力は保たれているのですが、コントロールする能力が低下し、無意識的に体が揺れてしまいます。このめまいやふらつきの原因は平衡機能を制御する脳や三半規管の病気によって生じることがあり、日常生活時にふらつき転倒の原因になってしまいます。

当院では脳神経内科医師により重心動揺検査の結果からめまいやふらつきの原因を評価し、必要に応じてリハビリテーションを実施しています。また、パーキンソン病などの進行性の疾患の場合定期的に重心動揺検査を行い、バランス能力の経過観察を行なっています。

6歩行分析器による歩行分析

歩行とは?

私たち人類が行なっている直立二足歩行は、移動する手段として最も効率的な手段であり、人類だけが行える特異的な動作の一つです。元々人類は、四つ足歩行から進化して現在の二足歩行となったといわれています。サルやゴリラ、ダチョウなども二足歩行をしますが、胴体部分である体幹を直立させて歩く直立二足歩行を行えるのは人類だけです。

病気や怪我などによって歩行能力が低下した場合、理学療法士により歩行分析を行いや歩行能力改善の介入を行います。歩行は動き方のクセが現れるため、身体にかかっているストレスや筋肉の状態などを評価するためにも有用であり、当院では定量的な評価の為歩行分析システムを用い歩行分析を行なっています。

当院の歩行分析システムは、3軸加速度センサーからの歩行時加速度データに基づき、歩行能力を分析する機器です。客観的なデータを基に、リハビリ介入効果の判定や、インソール調整、下肢装具の選定の際に利用しています。

7福祉機器の選定、家屋環境の調整

当院では在宅生活を行なっている患者様の自宅を訪問し、実際に生活されている家屋環境を確認し、転倒の危険を有している箇所やより生活を行い易くする工夫、介護負担を軽減する方法のアドバイスを行なっています。

理学療法や作業療法の観点から、生活環境を総合的に評価し対策を行います。また言語聴覚士により自宅での食事の様子を確認し、ムセ、誤嚥性肺炎を予防する為に、食事の内容や食器などのアドバイスを行なっています。病気や怪我、手術の後の体の状態に合わせて、安全に生活できるように支援しています。

8運動連鎖や筋膜連鎖を考慮した治療の実践

運動連鎖とは、身体の手足にかかる力や関節の運動が、身体の複数の部位に関連しそれぞれ協応して合理的な動作として行われることです。つまり、椅子に座る、歩く、文字を書くという日常でおこなう身近な動きも運動連鎖ということです。

筋膜とは筋肉を包む膜ですが、さらに骨・内臓器官・血管・神経など身体のあらゆる構成要素を包み込み、それぞれの場所に適正に位置するよう支えています。この全身が筋膜で包まれお互いの組織が連鎖している状態を筋膜連鎖と言います。

姿勢が悪い・背骨が歪んでいる・腰や肩が痛いなど、何気ない仕草や癖が習慣となり筋膜の形が悪化し症状が生じてしまいます。リハビリでは筋肉や筋膜が体のどの部位で問題が生じているかを判断し、症状を軽減させるアプローチを行う必要があります。筋膜のルートに沿って治療を行う事で、不良姿勢や痛みの原因を考察する事ができます。

9研修・教育

リハビリテーション部スタッフの研修・教育を充実させる取り組みを実施しています
臨床実習施設として理学療法学部、作業療法学部学生さんの受け入れを行っています
当院リハビリテーション部へ入職した養成校一覧

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